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ブロゴスフィア!ブロゴスフィア!

【書評】中世賤民の宇宙 ──ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫)/阿部謹也 (著)

2020年に読んだ本で面白かったもの(その3) 中世賤民の宇宙 ──ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫)/阿部謹也 (著) 中世賤民の宇宙 ──ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫) 作者:阿部謹也 発売日: 2018/06/01 メディア: Kindle版 『ハーメルンの笛吹き…

【書評】ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか (講談社学術文庫) /山川偉也

2020年に読んだ本で面白かったもの(その2) ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか (講談社学術文庫) /山川偉也 ゼノン 4つの逆理 アキレスはなぜ亀に追いつけないか (講談社学術文庫) 作者:山川偉也 発売日: 2017/06/23 メディア: Kindle…

【書評】意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫) / 井筒 俊彦

2020年に読んだ本で面白かったものを幾つか紹介します(たぶん5回シリーズ) 昨年は以下の理由により、例年よりも本を読む時間が減ってしまいました。 ・放送大学に入学した(といっても半期で二科目ずつしか取ってないですが) ・ほとんど自宅勤務となって…

人文知が大事だなぁと思った話

blogos.com 「カリフォルニアン・イデオロギー」の延長線上に、オンラインを過信した「コロナ・イデオロギー」がある、との見解はマジで傾聴に値すると思う。 zoomで繋がった、仕事が飲み会が出来た、の裏で置き去りにされているものがあり、 集会の自由など…

デジタル文学館「中島敦の南洋群島」

『山月記』で知られる夭折の天才作家、中島敦が、喘息の療養も兼ねて南洋パラオに赴任していた時期の資料を構成したフォトムービーを、神奈川近代文学館が公開している。 www.youtube.com 文学館のニュースリリース: デジタル文学館「中島敦 横浜の日々」「…

中国SFのススメ

先週末に、徒歩圏内(30分)の書店が営業を再開したため、久しぶりにリアル書店で本を買ってきました(ちなみに本自体はオンラインや電子書籍でそこそこ以上に買っています。しかし店舗に行きたい欲求があります)。 マンディアルグ『すべては消えゆく』(祝…

【書評というほどでもない感想】ホルヘ・ルイス・ボルヘス「夢の本」 (堀内研二 訳)

夢の本 (河出文庫) 作者: ホルヘ・ルイス・ボルヘス,堀内研二 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/02/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 創作にあっては宇宙的短編「バベルの図書館」を物し、現実においてもアルゼンチン国立図書館の館…

朝吹真理子「TIMELESS」非公式サウンドトラック

TIMELESS 作者: 朝吹真理子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/06/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 朝吹真理子の新刊「TIMELESS」には、バラエティに富んだ様々の音楽や音響が現れます。作品をより楽しむための一助になればと思…

コンピュータ―写真で見る歴史 (お題「プレゼントしたい本」)

今週のお題「プレゼントしたい本」 プレゼントしたこともされたこともあまりないのですが(猫背直す本とか字がきれいに書ける本とかもらったなそういえば)、自分が人にあげるとすれば 絵や写真が豊富 多少押しつけがましくても何より私が見て楽しいのでみんな…

昭和13年刊行の火野葦平「糞尿譚」が歯抜けだった話し

Kindle Unlimitedで火野葦平の「糞尿譚」を読んだところ、文章が歯抜けになっていましたというお話し。 糞尿譚 [他四篇] 作者: 火野葦平 出版社/メーカー: Kindleアーカイブ 発売日: 2015/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「糞尿譚」は…

【書評というほどでもない感想】村田沙耶香「コンビニ人間」

話題の芥川賞受賞作、村田沙耶香「コンビニ人間」の、書評、というほどでもない感想+おまけです。 感想 コンビニ人間 作者: 村田沙耶香 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (12件) を見る 詳しいあらすじ…

【散歩の達人9月号に便乗】 本好き/書店好きのための葛飾金町案内

散歩の達人 2016年 09月号 [雑誌] 作者: 散歩の達人編集部 出版社/メーカー: 交通新聞社 発売日: 2016/08/23 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 「散歩の達人」の最新号は、柴又、金町、亀有特集。すべて葛飾区の街です。 皆さま是非ともお購め…

ボルヘス数 ~バベルの図書館の実装可能性について~

サマリ ボルヘスの「バベルの図書館」についてくだらないことを考えていくうちに出会った素敵なサイトを紹介します。 バベルの図書館とは 二十世紀のラテン・アメリカ文学を代表するアルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスのよく知られた短編小説に「…

Kindle Unlimitedのカルメンが短縮版だった

Kindle Unlimitedで、表紙に惹かれてダウンロードしてみたメリメのカルメンが短縮版でした、というだけのお話し。 カルメン 作者: メリメエ 出版社/メーカー: Kindleアーカイブ 発売日: 2015/02/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る この本は…

妖精について

数年前に,所属するマンドリン・オーケストラで,二橋潤一作曲の「妖精組曲」を演奏することになった際に書いた,妖精についての覚え書き的なテキストの再録です. 「幻獣辞典」訳者の柳瀬尚紀氏の訃報に接して引っ張り出してきました.ご冥福をお祈りします…

知られざるかもしれない方向音痴の世界

会社から帰るときの駅の入り口(改札)を変えてみたところ,二日続けて反対方向の電車に間違って乗ってしまいました. なぜこういうことが起きるかというと,私の認識では「ホームに下りて右側の乗り場に入ってくる電車が,家に向かうそれである」ということに…

Kindle Unlimited x ウクレレ (その1)

Aloha~ 夏真っ盛りなのでウクレレ弾きたくなりますよね. 先日日本でもリリースされた本の読み放題サービス,Kindle Unlimited で,楽譜あったりしないかな~と思って探してみました. Kindle Unlimitedで"ウクレレ"で検索した結果 入門書がいくつかヒットし…

【書評】 キーボード配列QWERTYの謎

キーボード配列QWERTYの謎 作者: 安岡孝一,安岡素子 出版社/メーカー: NTT出版 発売日: 2008/03 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 430回 この商品を含むブログ (51件) を見る 初期のタイプライターからコンピュータのキーボードまで,実に140年余りにわ…

Kindle Unlimitedに登録すべきたったひとつの理由

光文社古典新訳文庫がたくさん読めるから ヒャッホウ! 無料お試しはロンモチのこと,月額980円もペイヤボーと思うやで~. ※2016/9/1 追記 ※9月で対象の大幅な入れ替えがあったとのことですが、 ※下に紹介したものを含めて、光文社古典新訳のラインナッ…

【赤坂書店事情】赤坂見附から徒歩圏内の本屋さんまとめ

職場が赤坂になりました.9年ほど前にも勤めていたことがあり,その頃の赤坂見附には,・"Tokyo Random Walk"という,今でいう心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREのようなデザイン&サブカル充実のシャレオツ書店と,・今はビックカメラになってしまった"ベルビー赤…

紀州の秋刀魚,その他

日付が変わってしまったが,私が敬愛して止まない郷里の作家,中上健次の誕生日に寄せて,数年前にTwitterで呟いた話しを再編集したものを. --- 中上健次の初期のエッセイ集「鳥のように獣のように」に書かれている,秋刀魚の姿鮨の話が好きだ. 紀州(勝浦)…