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ブロゴスフィア!ブロゴスフィア!

西村賢太氏の訃報に接して

もう先月の話になってしまうが、西村賢太氏の訃報に接して驚いた。
文庫化されたものを後追いで読んでいる軟弱ないち読者に過ぎないが、ともあれ自分が追っている数少ない存命の作家だったこともあり、悲しいし、まだ早すぎるだろうとも思う。
師と仰ぐ藤澤清造を始めとする明治、大正期の私小説作家の文体を、懐古趣味などではなく生(なま)の表現として現代に問い直した、稀有の作家であった
(ことが私小説であることを鑑みるに、文体・表現を成立せしめる前提にはやはり本人の生き様というものが重みを持っていて、兎角無頼な物事が排斥されがちな当節において、その点でも稀有なものがあったと思う)。
謹んでご冥福をお祈りする。


これから読まれる方には下記の2冊をお勧めします。
・「どうで死ぬ身の一踊り」

藤澤清造もの、秋恵もの、全てのエッセンスが詰まっている。

 

・「暗渠の宿」

特に集中「けがれなき酒のへど」

 

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